感情を我慢することの弊害


前回は、感情を感じることの重要性をお伝えしました。今回は、感情を我慢することの弊害をお伝えします。

感情を我慢してしまうと、その感情は蓄積され、さまざまな心身の問題を引き起こす可能性があります。感情を無視したり抑圧したりすることで、短期的には一時的に楽に感じるかもしれませんが、長期的には以下のような影響を及ぼすことがあります。


1. 心身の不調

感情を抑圧することで、内面でストレスが蓄積されます。未解決の感情が心の中に残ると、それが無意識的にストレスを引き起こし、心身に負担をかけます。抑え込んだ感情は、次第に不安やイライラ、自己批判を引き起こす原因となり、うつ状態や精神的な疲れを感じることが増えるかもしれません。また、不安障害、パニック障害など、精神的な健康問題を引き起こすリスクが高まります。感情が適切に処理されないと、心理的な負担が積もり、心の健康を損なうことになります。

感情は脳と体の相互作用によって生じますが、感情を我慢して長期間抑圧すると、心と体が分断されたような状態になり、身体的な不調が現れることもあります。例えば、慢性的な肩こり、頭痛、消化不良、心拍数の上昇、免疫力の低下などが起こることがあります。これらはすべて、ストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌が関係していることが多いと言われています。

私もセラピストをしているので、毎日お客様のお身体を触らせていただいているのですが、ストレスに悩まされていらっしゃる方は、常にしんどさが抜けず体が緊張状態で硬っているので、毎週マッサージに行くのにしんどいというような状態になられている方がいらっしゃいます。

マッサージで癒されるのもいいですが、根本のストレスの元を解決することで、心身が解放されることもよくなります。


2. 感情の爆発的な反動

抑圧された感情はいつか必ず表に出るものです。感情を我慢し続けると、その感情がある限界点を超えると、一気に爆発的に表面化することがあります。このような「感情の爆発」は、普段は冷静で我慢していた人が急に激怒したり、過剰に泣いたりする場面で見られます。この時、感情が暴走することによって、人間関係や社会的な場面でトラブルを引き起こすこともあります。


3. 人間関係の悪化

感情を我慢しすぎると、他人に対して不満や怒りを感じていても、それを表現することなく抱え込むことになります。これが続くと、周りの人々との関係に悪影響を及ぼすことがあります。感情が抑えられ続けると、相手に対して無意識に冷たくなったり、距離を置いたりすることがあるため、人間関係の絆が弱まる可能性があります。


4. 自己理解の欠如

感情を抑え込み続けることで、自分自身の感情に対する理解が深まらず、自分が本当に何を感じているのかがわからなくなることがあります。感情の抑圧は自己認識を妨げ、結果として自分の欲求やニーズ、価値観を無視することに繋がり、自己満足感や幸福感が低くなることがあります。


5. 創造性や問題解決能力の低下

感情を抑圧することが習慣化すると、創造性や柔軟な思考に悪影響を与えることがあります。感情は私たちの行動や意思決定に強い影響を与えますが、感情を無視していると、問題解決や創造的な発想が阻害されることがあるのです。感情を表現することで、より本能的で創造的な思考が促進されますが、それを抑えることが習慣化すると、思考や行動の幅が狭くなることがあるのです。


感情を我慢することは、一時的には楽に感じるかもしれませんが、長期的には心身に大きな負担をかけ、さまざまな問題を引き起こします。心身の健康を保つためにも、感情を感じ、適切に表現することは、心の健康を守るために非常に重要です。感情を抑え込む代わりに、リラックスした環境で自分の感情を認識し、適切に表現する方法を見つけていってくださいね。

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